2024.03.25

目が覚めた瞬間に4月から友人が入社するという某企業の年収を検索してそのまま希死念慮に苛まれて座ったり寝たりして死にてえ死にてえと思っていたら死にてえと思いつづけてそれで長いあいだ昼が過ぎて夕方になってそのあいだはずっと雨が降っていたが夜になった。手足が極端に冷える。足はわかるが手はいけない、生きる気力が削がれたままお前は死ね、死ね、という声をただ聴いていた。夜になってユー鶴に行ったらサウナ室のテレビでサッカーをやっていて、サッカーは何もわからないが日本対ウクライナだ、一体どこのグラウンドでやっているかの見当もつかないが応援団の声量からするに日本だろうけれど新横浜ではなさそうだしどこだろう、とか思っていたら日本の2点目が入ったようで、僕はぼんやり見ていたから正直その決定的な瞬間を見ていなかったけれど、同じサウナ室に居た男のひとりが「おお、」と呟いて疎らに拍手をしたから点が入ったのだと知れた。ゴールを決めた選手はパフォーマンスをしたあと地面に大仰にうずくまって、そこに仲間がやって来て折り重なって喜ばしそうな光景だった。それでサウナから出て寝湯に行ったらこめかみにどくどくと流れゆく血流が心地よいかと思えば死にてえ、死にてえ、お前は死ね、生きている資格がないんだ、という声を湯けむりの向こうの夜空から運んできたので結局これはどうしたって消えないのだった。内湯に浸かっても同じことだった。それで諦めて脱衣所に戻って、死にてえ、死にてえ、しにてえ、しにてえ、しにてえ、と今日はずっと一日中おもっていた、まじで、死にたい、死にたい、死にたいんだった、サウナ入ってこれなら本当に死にたいんだった、それで何かをしたかといえばそう思っていただけでもう死にてえ、死にてえ、しにてえ、のまま別に腹も減ってないのに豚キムチ定食を食って、それでもしにてえ、しにてえ、しね、しね、しねばいいんだ、しね、しね、しね、とずっと言葉や声が聞こえて来るんじゃなくてそういう意識みたいなものが脳内の領域を侵食してくるみたいに埋め尽くしてきて、アクセルを限界まで踏み込んで夜道を飛ばしても酒飲んでもそんなのは消えなくて、この文章じゃどうやってもあの希死念慮の重さは伝えられないんだけれど本当に死にたかったし今もそれは変わらない、しにてえ、助けてくれ、確かに、死にたいです、思って、言って、やはり医者にいこう、大学のカウンセリングにも電話してもう無理ですって言おう、と思った。