家の前に車を止めると、中からタオちゃんがおっすおっすと出てきて、いや〜いつもすまんねと言いながら助手席に乗り込んだ。河川敷の公園は休日を過ごす人で混雑していて、柵の中でスケボーに興じる若者たちや、芝生にテントを貼ってピクニックしている家族連れを見ていると、いくらなんでも完成すぎた光景に思えてきて、タオちゃんに「なんか嘘みたいな公園じゃない?」と言ったら、「いやそんなん俺らの方が嘘みたいやろ」と言われた。たしかにこの中で、野郎2人がキャッチボールをする方が浮いているかもしれない。今日は珍しく気温が上がって半袖でも心地よかった。あれこれ喋りながら2時間ほど投げ合っていただろうか、タオちゃんの肩がもう限界らしく、それならばとバッティングセンターに行ったがこちらは今日はだめだった。夜半、もう一度車を出して香港帰りのNさんを駅まで迎えに行き、そのまま家に上がり込んでだらだらと喋った。独りだと料理する気が起きないからさ、また来いよ、と去り際に言われた。