日記
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2024.05.14
もともと寝覚めは良くないほうだが薬を始めてからさらに起きられなくなり、6時ごろに目が覚めてもスマホで時間を確認するのがやっとのことで一瞬にして深い眠りに引き戻される。昼頃、玄関のほうから人の喋り声が聞こえたのでようやく目が覚め、僕宛の荷物が届いたことが知れて重い身体を起こすと、…
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2024.05.13
「知ってる? 煙草って、火をつけるのがライターかマッチかで味が全然違うんだ」と彼は言って、僕は「そんなことある? ジッポーでもガスコンロでも変わらないだろう」と訝しんだ。彼は普段は吸わないが、付き合いで吸うことになったときの為にマッチだけは持ち歩いているらしい。あまりに粋が過ぎ…
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2024.05.12
昼の11時ごろ自然と目が覚めて、効いている――と思った。後頭部のほうをずっと何かに引っ張られているような感覚があり、それは決して心地よいものではない。NaSSAの副作用として眠気やふらつき、食欲増加があることは聞いていたが、それどころではない、全てを眠気というか倦怠感に支配され…
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2024.05.11
初台。働き終え、窓際の席でまかないのカレーを食べながら、これを食べ終えたらようやく「夕食後」だと思った。昼間に診てもらった医者は気のよさそうな白髪の爺さんで、口にする言葉のひとつひとつは何かの大仰な演技のようで僕は話が通じている気がしなかったが、それでも薬を使ってみようか、とい…
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2024.05.10
本を選んで、それについて喋るポッドキャストをやったら面白いのでは、という話をワカオくんとしていて、初回は最新号の「新潮」掲載作のどれかにしようということになった。何も考えられない、ノートパソコンの画面に向かって日記のエディタを開いても側頭部を締め付けられるような感じがある。
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2024.05.09
浅い眠りで明け方に目が覚めたので三田。今日は急に冷え込んで寒く授業中もずっと革ジャンを着ていた。木曜5限は創作の授業で、いいかげん僕も小説を書かなければいけない。小説、創作、評論、批評、批判、否定。自己検証、自己批判。自己嫌悪。ワカオくんと渋谷へ。『悪は存在しない』は僕は2回目…
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2024.05.08
日付が変わってWILYWNKAのアルバムがリリースされたのでひと通り聴いたあと、半分ほど残っていた『日本のいちばん長い日』を最後まで観、宮城事件と玉音放送についての記事を読みながら寝落ちした。3時半くらいだったか。そういえば昨日読んだ千葉雅也『プロンプト』には、「語り手の男が嘘…
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2024.05.07
歩いていると対岸の歩道にしゃがんでいる人が見えた。日中はたまにバスも通るような生活道路である。歩道の向こうは金網を隔てて大きな遊水地になっているから近所の人が道端の草むしりでもしているのだろうと思ったら、ピンク色のランドセルを背負った女の子がこちらを向いて座っているのだった。彼…
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2024.04.11
不安? 不安、ですか? これは不安なのですか? いえ、全然そんなことは、寧ろむしゃ、武者震いです、と嘯くーーうそぶくこともできずに、うそぶくってこう書くんですね絶対この字読めないな、南館図書室の一角で巨人戦を堂々と流しながらぱらぱらと手元の本をめくっていたけれどやはり落ち着かずに…
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2024.04.06
珍しく朝からごきげんだった。恋人は友達と野球を観に行くらしく、だから俺も行こうかなドーム、野球観たくてしょうがないんや、俺も、俺が、俺こそが行きたいんじゃ、俺に野球を観せてくれ、魅〜せろパワー フ〜ルスイング ぶち込め 大城〜♪ が頭から離れない、耐えられん、ってことで現地居るか…
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2024.04.05
隣の席は原くんで、僕らは高校3年生で数学の授業を受けていた。町田先生が黒板に書いた何らかの公式を、僕は緑色のボールペンで、大きく、丁寧に、ひとつひとつの記号が間違っていないか何度も板書とノートを見比べながら、書き写しているところだった。すると隣から原くんが首を伸ばしてきて、いつも…
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2024.04.04
夢? 高揚感、麹町、スタバへ、新宿へ、『センスの哲学』、紀伊国屋、ブックファースト、神保町、タマムラくん、エチオピアカレー、三省堂、パサージュ、旗原さん、スタバ、ドジャース、クイズ、駿河台、エスカレータ、履修、元住吉、チャーシュー、酒飲み、いじめ、直線、など
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2024.04.03
長雨、武蔵小杉。カウンターの店でビール飲みながら職場のことなどを話す。目の前のカウンターをなぞるように、人差し指で左から右へと大きく波を進めるような動作をして、僕はここ3,4年のことを淡々と話した。彼は波の底に対して「潰れる」という言い方をした。だから僕もそれに倣って「そうです、…
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2024.04.02
最近ワカオくんはゲッターズ飯田の占いにハマっているらしく、366日それぞれに割り当てられた「今日の運勢」とそのアドバイスが物凄く当たるのだそうだ。特に「今日の運勢」に星マークが付いている日と現実に良い出来事がある日が見事に重なるようで、君も見てみるといいよ、とのことで一緒に本屋で…
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2024.04.01
散髪、顔剃り。前回と同じ若い人から「今日はこのあと何かあるんですか」とまた訊かれ、どうして話の広げ方がそれしか無いのか、Tinder初心者みたいなコミュニケーションの広げ方はいい加減きついっすよと思いながら適当に受け答えするも「ええまあ、はい、そうすね、あの、大学のガイダンスみた…
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2024.03.25
目が覚めた瞬間に4月から友人が入社するという某企業の年収を検索してそのまま希死念慮に苛まれて座ったり寝たりして死にてえ死にてえと思っていたら死にてえと思いつづけてそれで長いあいだ昼が過ぎて夕方になってそのあいだはずっと雨が降っていたが夜になった。手足が極端に冷える。足はわかるが手…
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2024.03.24
後頭部が微かに痛む感じがずっとある。低気圧のせいか、はたまた日々増えゆく酒量のせいか。このあいだカクテルシェイカーを買ったので、毎晩しゃかしゃかとやっている。コアントローを少し多めに入れたバラライカが美味しい。缶チューハイでないだけ、だいぶ丁寧で身体にも良いだろうと思っているが、…
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2024.03.18
いつだったか高松の場末にあるコーヒースタンドで世間話をしていて、たしかその一年前にも同じ店に立ち寄ったからお久しぶりです、覚えてますか、ああ、あの時の、みたいな話をした記憶がある。香川の高松だ。それで二度目に行った時には大柄な、店主と同じやはり大柄な男がいて、彼は何処かの地方新聞…
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2024.03.12
このあいだ知人に「よく数日前の日記を書けますね」と不思議がられたが、僕としては昨日のことすら大して覚えていないため、iPhoneの位置情報の記録を頼りにその日に自分がどこへ行ったかを知り、思い出せたことだけを書いている。最近は日記についての感想を頂くこともあって嬉しい。友人は就職…
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2024.03.01
本を買って、渡そうと思った。彼は高校2年の夏から学校にほとんど行かなくなって、はじめはテストの日だけ来て答案を全部白紙で出していたらしく、人づてにそれを聞いたあと、暫くしてから本人の口からも「や〜、そうなんすよね〜」ということを聞いた。あれはいつだったか忘れたが、大会の打ち上げだ…
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2024.02.29
農協で配送のバイトをしているYから「終わったから行けるけど」という連絡が来て、てっきり配送のバイトは夕方までかかると思っていたから「え、はや」と思って、でも昼から暇だったからとりあえず車を出して246を下り、海老名のららぽーとで落ち合った。決算期の月末はスーパー以外の配送が無いら…
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2024.02.28
石井が駒込のワンルームを引き払って実家に戻る。白山駅前のファミマでチキンを買って、ガードレールに腰掛け食べていると向こうから石井がやって来て、少し会わないうちに彼はだいぶ髪が伸びていてそれを真ん中で分けていた。いや~ほんと助かるわ今日はよろしく、と言われレンタカーを一緒に借りに行…
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2024.02.27
昼から鍼へ。最初から容赦なく顔に鍼をぶち込まれ、やったれやったれ、そういうバイオレンスなやつを求めていたんじゃあと静かに思った。花粉症対策らしい。たしかに鼻と眼が落ち着いた気がします、即効性あるんすね、すげえ。首の後ろのあたりが張っている、考えすぎだよと言われたので「じゃあ考えな…
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2024.02.26
新宿三丁目で乗り換えるべきところを、何の気なしに新宿駅で降りてしまって終電を逃した。しょうもな、ウケる、と思いながらNさんにLINEしてアパートに泊まらせてもらう。徹夜で作業するつもりで意気込んでいたけれど頭が冴えず堂々巡りになり、明け方になってから全て諦めて寝た。杉の花粉が鼻腔…
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2024.02.25
ほどなくして取り壊されるのだろう、森永プラザビルのテナントは軒並み閉店していて外には相変わらず冷たい雨が降っていた。駅前は再開発が行われ、次に新しいビルが開業するのは2028年らしいから来年の卒業まで三田口はつまらないままになる。ワカオくんやタキくんと昼休みに喋った薄暗いサンマル…
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2024.02.24
『八本脚の蝶』は奔放な読書日記でもある。 私にとっての、沢山の、本(私は就職してから年に多分三六五冊を超すぐらいの本を読んでいる。学生の時はその倍、小学生の時はその三倍は読んだ)。一冊の本ではない。沢山の本は有機的に絡みあい、本の集合体として私を変えた。変えられた私はあらたな選択…
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2024.02.23
窓の結露越しに雨の街と灰色の空が見えるくらいなら、カーテンを閉めて部屋が暗い方がよっぽどましだった。いくらなんでも寒すぎる、コンビニのためにすら外に出たくない。楽しみが今日から始まるプロ野球のオープン戦くらいしかなく、とはいえ配信サービスにも加入していないのでアプリの一球速報を1…
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2024.02.22
大手町にしよう、とワカオくんから連絡が来て桜木町から東京駅へ。氷雨が降っていてどうしても外に出たくないので、丸善の2階に居るから来てや~と言ったらしっかり来てくれた。丸善本店は文芸の棚も充実している。「エッセイ」「ライトエッセイ」「随筆」「紀行」「読書エッセイ」など、どんな基準で…
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2024.02.21
夜になってから重い腰を上げて都内へ。都内へ、と書くと都内に住んでいないことが一瞬で判明しまう、ええそうです私は神奈川県民です。東京の街や交通網や、飲んだ酒や食べた料理の名前を並べると一気にそれっぽくなる、と誰かが書いていた。だから今日も小田急線を新宿で乗り換えて都営新宿線で初台だ…
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2024.02.20
なんとか動けそうだったので滝口悠生に倣ってバッティング、散歩、読書の日にする。『三人の日記』を読みながら小田急線。電車だと不思議なほど集中して本が読めるけれど、それは程よく空いた午後の快速急行の、太陽を背にした眩しくない席に座れているからかもしれない。金川晋吾の名前を見て思い出し…
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2024.02.19
日付が変わってそのまま帰るのも癪だったので、川崎インターから東名を下って厚木のサウナへ。空いててよかったと洗い場へ行くと、すぐに大学生らしい3人連れが後ろに座って喋りはじめたので嫌な気持ちになった。いつからかサウナというか、温浴施設で騒ぐ集団にだいぶ敏感になるようになってしまい、…