下長津田の交差点から246に出る。いつも通り左折して厚木方面へ車を走らせれば湯乃泉へ行けるのだが、今日はなんとなくサウナの気分ではなかったので、右に曲がって横浜青葉から首都高に乗った。料金所へ繋がる高架のループが、深夜の空中に大きく弧を描く。遠心力が身体を左へ押しやり、傾く車体に身を委ねる。ステアリングを回す感覚はほとんどなく、車はただ道路の形に沿って流れていく。下り坂のトンネルは緩やかに曲がりながら続き、際限なくスピードが出る。無機質なLEDの光に吸い込まれるように車を流していると、日常が遊離していくのを感じた。直線に入ると、アクセルを踏む足に自然と力が籠る。この時間に面パトはいないだろう。
大師、浮島を経て湾岸線を下り、大黒PAの端に車を停めた。金曜の夜は走り屋が集まるから大黒や辰巳は閉鎖されることが多いけれど、今日はなぜか開いていた。車を降りると排気の匂いが鼻をさし、それが妙に心地よかった。自販機で缶コーヒーを買い、停まっている車をひととおり眺めてから家に戻った。昼ごろに起きて下北沢へ。久々にラウンジに寄ってパソコンを開いてみたものの、疎外感が拭えずまったく集中できなかった。そのまま店に行って働いた。