2025.02.10

他人の日記を読む、という行為は言ってしまえば愛でしかないと思う。だって、自分の人生に全く関係のない他人の生活なのだから。その人のことが気になるから、どんな毎日を送っているのか知りたい、という好奇心でページを捲るものだと思っている。かつて、わたしが様々な人のブログを読んでいたときも、その人のことを憧れていたり、憧れを拗らせて憎んでいたりしていて、突き詰めるとその人本人への興味が日記を読ませていたと思う。だから、自分にそういう興味が向けられていると思うと、ぞっとして恥ずかしく、どんな顔をしていればいいのかわからない。

くどうれいん「松ぼっくりの波紋」
  ――『文藝』2025年春季号,p129