この日記だけ読まれていると、僕がずいぶんと愉快な日々を過ごしているように思われそうだし、僕のほうでもたまに読み返すと、実は自分が楽しい毎日を送っているんじゃないかと思ってなんだか怖くなる。このあいだ、坂口恭平『生きのびるための事務』を読んでなにやらこれは凄いものを読んだ、革命だと思って、自分も定量的に現状を認識したうえで10年後のことを考えねばならない、やったるぞ、などとずっと思っていたのだけれど、今日さっき遂にそれをやった。A5の新しいノートを買って最初のページに円を3つ描き、現在、1年後、10年後の一日の生活を想像する。なるべく正直に、やりたくないことはやらないように、しかしそれは理想じゃなくてあくまでも事務でしかない、とことん具体的にしてゆくーーと言ってもそれはだいぶ難しい、え、はー? 1年後はなんとなく分かるかもしれないようになってきたが10年後となると些か困ってしまう。そんなこと言われてもなあ、坂口恭平は坂口恭平だからな……、と最初は楽しく考えていたけれど、そのうちちょっと病的なものになってゆきそうな予感があったのでさっさとやめた。