2025.07.06

マンションの脇に車を停めてハザードを焚いた。かれこれ10年以上の付き合いになるが、タマムラの家まで行くのは初めてだった。しばらく待つと、日ハムのキャップにドジャースのトートを持ったタマムラがやって来たので、グローブを片手に車の窓から顔を出して「タマムラ〜野球しようぜ〜!」と言ったら「うわ、中島くんだ」と笑われiPhoneのカメラを向けられた。

砧公園でキャッチボールをする。朝の6時過ぎなので涼しいだろうと侮っていたが、日が上るにつれて汗が止まらなくなり、一時間もしないうちに「もうやめよう」となった。芝生の広場には散歩の犬が多く、飼い主を振り切ってリードを引きずり、こちらへ突進してくるのもいた。タマムラは犬を飼っていないくせに犬にやさしい。天性のやさしさだ、犬にもそれが分かるのだろう。軽くジョギングをしてから朝マックを食べに行き、帰ってから泥のように眠った。

受験生の頃は校舎の屋上で馬鹿みたいにキャッチボールをしていた。相手は主にタオちゃんで、他にも何人かいたかもしれないが忘れた。思い返せばその中にタマムラは居らず、タマムラは冬は予備校に篭って勉強していたのだろうか、自由登校になってから国立の受験が終わるまで、ほとんど顔を合わせなかったような気がする。当時もいろいろあったが、楽しかった思い出というとやはり高2、高3あたりに限定されてくる。「馬鹿やったよなあ」的な、過剰に美化された内輪の話もそこそこあるが、大学に入って人付き合いを絶ってからその類の無邪気さを失ってしまった。戻りたい、とは思わない。