2024.07.03

 『ルックバック』を観る。窓際の机、漫画を書く左手。後ろの席に回される学級新聞の反復。他なる才能に触れて拡がる教室と反響する声、移ろい行く季節と雪化粧の山々、紫色に染まる空と畦道、二人を分つ一本の樹、スケッチブックで溢れた暗い廊下、風で舞う紙の断片。とにかく描け! の付箋と夜に向かいゆく東京のビル街。遺書としての日記、というようなことを思う。