2024.06.25

 恋人と川沿いを散歩しながら帰る。風は少しあるものの生暖かく、歩くのには今夜くらいの気温が限界かもしれない。恋人が「夏のさあ、土? みたいな匂いしないね」と言うので「どうだろうねえ、蝉が鳴いてないからじゃない?」と僕は言った。ゆるやかな齟齬。そこはかとない不安。

 今日はなんだか身体を動かせそうだという日で、ジムに来るのはいつぶりだろうか、今期薬を飲み始めてから眠気と体力の折り合いがなかなかつかないでいて、しかも副作用で食欲が急激に増えて良くない。信じられない体重と顔つき体つきになってしまって、もはや自分の身体ではないみたいだ。脳というか心というか、二元論的ではあるがどちらも前には戻れないのだろうと思うとやりきれない。例の老医者には「身体をね、動かしなさい、それがね、治療にもなるからね」と毎回言われているが、なかなか運動しようという気に至らず、文字通りぶくぶくと、こんなに、なって、しまいました。あーあ。20分ほどサイクルマシンをやって、他のマシンは混んでいてどこに行っても人がたくさんいる、外を走ることにした、腹の肉を落とすには有酸素運動だろう、今日からまたランニングを再開するぞ、おれはかつてマラソンランナーだったんだ、よし、オジロでも聴きながら、WOOOOバイブスは満タン! と走り始めた途端、両ふくらはぎが一瞬で攣りそうになり、あれ、これ、ちょっとやばいかも、無理かも、えっちょ、ま、リタイヤ、リタイヤです、となって、商店街を端から端まで軽く走っただけに終始した。碌に走ることすらできなくなってしまった。