昼の11時ごろ自然と目が覚めて、効いている――と思った。後頭部のほうをずっと何かに引っ張られているような感覚があり、それは決して心地よいものではない。NaSSAの副作用として眠気やふらつき、食欲増加があることは聞いていたが、それどころではない、全てを眠気というか倦怠感に支配されていることを起きた瞬間に悟った。これでは服薬後のほうが抑鬱の状態といえるのではないか、こう言ったらそれを認めることになるので考えないようにしたいが、もしや薬を飲んで鬱が酷くなってはいまいか。例えるなら曇天、湿度が高く今にも雨が降り出しそうな曇り空がひたすらに続いているような感じで、しかし雨が降るわけでも雲が切れて晴れ間が訪れることもないので、「気分の波」的なものは確かにない。感情が生じる前に断ち切られる感じがある、表情筋が重い。昨日までは過剰な哀と怒に苦しんでいたような気もするし、本当はそんなことなかったんじゃないかとも思うけれど、とにかく今は何もない、本当に、ヤケクソとかではなく、何もかもがどうでもいい――こんなことは初めてだ。フラットな感情で今日は何をすればいいかもわからず、手始めに部屋の片づけをしようと思って、積み上げた本をジャンルごとに分けている途中にまた強烈な眠気が襲ってきて、そのまま床に倒れた。