2024.02.26

新宿三丁目で乗り換えるべきところを、何の気なしに新宿駅で降りてしまって終電を逃した。しょうもな、ウケる、と思いながらNさんにLINEしてアパートに泊まらせてもらう。徹夜で作業するつもりで意気込んでいたけれど頭が冴えず堂々巡りになり、明け方になってから全て諦めて寝た。杉の花粉が鼻腔の粘膜に作用している感覚が分かりやすくあって、立て続けにくしゃみが出る。出かけるというNさんを見送り罪滅ぼしに皿洗いと掃除をして家に帰った。夕方から恋人と会ってキャッチボール。ヘアゴムを忘れたらしく髪が邪魔そうだったので僕が被っていたキャップを被せたら、明るめの髪色も相まって西武の高橋光成みたいになった。そのあとどうするってなって、んー映画は? と僕が言ってあの、上白石萌音と松村北斗が出てるやつ、そうそう、めっちゃよくて、もう2回観たんだけど、だから3回目観たくて、一緒にでも、うん、もちろんいいよ、たぶん最初から泣いちゃうと思うけど、ええ、うーん、観たほうがいいって? いや、観てほしい、や、観ろ、絶対観ろ!(笑) って言った僕は彼女にこの映画を観てほしかったというよりも、僕がこの映画によってずびずびに泣かされる人間だということを知ってほしかったのかもしれない。それで3回目を観て、僕は観ているあいだずっとパーカーのフードを被っていたからずびずびに泣いていたのを彼女には悟られなかったけれど、あとで感想戦みたいなことをして、「そんなに深い映画のみかたがあるんだねえ」と言われて、最後、最後のほうのさあ、プラネタリウムの終わりかけで、藤沢さんが「夜についてのメモ」を読み終えるときに、外にいる山添くんのカットになって、台詞はないんだけど口をきゅって結ぶんだよね、そこで、もう、ぜんぶがさ、ほんとにだめだよ、いやさ、もう、まじで……