2024.01.19

この間のライブで買った「YAVAY YAYVA RECORDS」のキャップを被って家を出る。ヤバイ・ヤイバ・レコーズ。MOROHAの自主レーベルの名前だ。一昨日、胸と腕を久しぶりに動かしたのが痛むのも相まってなんだか誇らしい。三田。今年度の金曜日は今日で最後らしく、5限の終わりに演習の先生が「いやあ、この授業は本当に楽しくて、良い時間でしたねえ」と真剣に言っていて、僕もそれならよかったです、と思った。演習では荷風を扱ったことだし、日記文学と絡めて断腸亭日乗で卒論を書こうかと思っている。夜はタキくんと讃岐うどん、酒飲まず早々に別れて僕は高輪のスタバへ。

Notionにカレンダーのアプリが登場した。元々使っていたGoogleカレンダーをそのままそっくり同期できてこれは革命だ。僕は病的にタスク管理ができない上に、ものごとを後回しにする傾向があって、傾向というか実際にいろいろなことに支障が出ているので困っている。それをどうにかしてDX化、つまりデジタルツールに覚えていてもらって適切なタイミングで「やれ! 今やれ!」と発破をかけてもらうべくいろいろと試してはいるのだけれど、やるべきタスクが生じた時にそれをタスクリストに入力する、ということすらままならず、すぐに立ち行かなくなる。あるいはすぐやれば良いものを見ないことにしておいて、そのまま目を背け続けている。最近はNotionにいろいろなことを一元化しようとしていて、そこにもともとGoogleのブラウザから開いていたスケジュールの機能が加わることで、何かが完成されるのではないかという期待がある。しかしこういったものを運用するには、毎日Notionと向き合う決まった時間を確保する必要があり、その話になるとやはり『パーフェクト・デイズ』のような、あるいは村上春樹的な、それこそ病的ともいえるルーティンを安定して回してゆく、という理想を叶えなければならない。

昨日から『ラーメンカレー』を読み始めている。『長い一日』の続編のように思えたが、滝口自身のアイオワ留学も踏まえた変化だろうか、序盤からイタリア、ロンドン、スリランカを股に掛けた横文字が並ぶ。カレー作り。ワカオくんが読んだら「やーいいね、アツいね」と言うだろう。そういえばさっき『死んでいない者』を貸した。

私にも不安はたくさんあった。私たちはいくら年をとっても、仕事を得ても、家族をつくっても、不安はなくならないのだといまではわかってきた。慣れるしかないのかもしれない、慣れて鈍感になるしかない。けれどもときどき、鈍ったはずの神経が鋭くなって、不安で死にそうになる。こんな山奥で、小さい子どもを抱えて、そんな不安に襲われたらどうなってしまうのか私は想像がつかない、と妻はゆうべ言いかけたけど言わなかった。表に出て大声を上げたって、その声が聞こえるのはせいぜいあの斜向かいのおじいさんぐらいだ。あのおじいさんだって、こんな山奥にひとりで暮らしているから、不安に耐えきれずおかしくなってしまったんじゃないだろうか。チコだって、不安で仕方ないから、大麻なんか吸ってるんじゃないか。車の外で泣いている由里さんが見えた。ハルちゃんは相変わらず泰然とした余裕の顔つきをしていて、由里さんは自分が抱いているハルちゃんにいまは必死でしがみついているみたいに見えた。チコのお母さんは眠たげだったがにこにこと笑顔をつくって手を振っていた。

滝口悠生『ラーメンカレー』文藝春秋 2023 pp.99-100

ジム。筋肉痛が残るので今日は下半身を中心に。一昨日から東映オンデマンドに課金して「あぶない刑事」シリーズを見ながらトレッドミルで走っている。テレビ神奈川でドラマの再放送をやっていた時期にひととおり、いやふたとおりほど見たことがあるので3周目だろうか、続編の「もっと」から見始めて今日は第2話「攻防」。犯人に対して大下「冗談じゃねえよ、寂しかったら海行って叫んでりゃいいんだよ」。