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2025.04.16
叔母の家に連れて行ってくれと母親が言うので、車に乗せて会いに行った。引っ越したばかりの叔母の家は、二人暮らしにしてはだいぶ広かった。一部屋くらい、せめて納戸だけでも借りられるんじゃないか、本を置かせてほしい。義叔父さんは几帳面な本の虫で、買った本全てに皺ひとつなくブックカバーをか…
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2025.04.15
自分の部屋で起きたのはいつぶりだろうか。3LDKの実家の、むかしは「ピアノの部屋」と呼ばれていた一室に、かつてはヤマハのアップライトとローランドの電子ピアノの2台が、壁に沿って並んでいた。一台あれば連弾もできたはずだ、教室を開いていたわけでもない。僕が中学生になり、流石に自分の部…
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2025.04.14
深酒。軽い二日酔いをポカリでやり過ごして三田へ。今学期は美美のピアノの授業をふたつ取っている。そのうちのひとつは、学期末に課題曲を演奏すればレポートが免除されるらしい。音大に編入したみたいだ。今日はもうひとつの方で、禿げ上がった細身の講師が遅れてやってきて講義をした。初回はベート…
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2025.04.01
終電に間に合った。東横線の車内でストゼロの長いやつを開け、座れなかったのでドアに寄りかかって飲んだ。アホみたいに美味い。『ノルウェイの森』で直子が「一生18歳と19歳の間を行ったり来たりするんじゃないかって思うわ」と言っていたけれどまさにそんな感じだ。俺は一生大学から出られないん…
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2025.02.17
朝帰り。スーツに着替えて再び都内へ。地上へ出ると雨が降っているようで、街ゆく人の半数が傘をさしていた。しばらく近くのビルの軒下で様子を伺ったところ一向に止む気配はなく、諦めて濡れながら交差点を渡って、東急プラザのスタバで時間を潰した。ハラカド、オモカド、ラフォーレ。大きな交差点に…
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2025.02.16
付け焼き刃の面接対策。笹塚のカラオケに入って、スマホで動画を撮りながら喋る、というのを何度もやった。いくら撮り直しても嘘っぽく気持ちが悪い。『口の立つやつが勝つってことでいいのか』である。とはいえ弱気なことを言っていても仕方がないので、「コッカラッス!」とか「ゾス!」といった体育…
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2025.02.15
5kmラン。昨日買ったシューズを河川敷で慣らす。クッションが明らかに違う。足の外側がふにふにしている。今まで使っていたのはかなりの安物で、数年前はそれでフルマラソンにも出たが、どうしてもっと早く靴に気を遣わなかったのか。ついでに買った偏光グラスもいい感じだ。夕方から初台、働く。土…
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2025.02.14
珍しく木曜休み。日付が変わるころ車でサウナへ。厚木まで運転するのが面倒だったので、家から近く綺麗めなスーパー銭湯へ行ってみた。前に午前中に行った時はシニアで溢れかえっていて、その老人ホームみたいな雰囲気が合わずに足を運んでいなかった。しかし今夜は、0時過ぎにもかかわらず地元の若者…
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2025.02.13
0時に退勤。渋谷のHARLEMにDJ SN-Zが来ているらしい。SN-ZはOZROSAURUSのバックDJで、初期のフリースタイルダンジョンでもよくビートを流していた。水曜深夜のHARLEMがどのくらい盛り上がっているかは知らないが、日本語ラップで流行りの曲をたくさん回してくれる…
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2025.02.12
バーバーの椅子に座ると、担当のマツバラさんはきびきびとケープをかけ、慎重に首元の調整をした。彼はいつものように口角をわずかに上げ、楽しそうに「今日もバチっと、かっこよくキメていきますんで、よろしくお願いします!」と言った。マツバラさんは清々しく信頼できる男だ。二年ほど前、僕がこの…
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2025.02.11
このまえ代々木上原の古本屋で買った雑誌がなかなか良くて読んでいるのだけれど、巻末の『ノルウェイの森』論があまりにもメタファーだらけで何が言いたいのかさっぱりわからず、ギャグのようで面白い。 村上春樹は瞬間を注釈する。語られているのは人間ではなく「関係」であり、より正確にいうと、関…
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2025.02.10
他人の日記を読む、という行為は言ってしまえば愛でしかないと思う。だって、自分の人生に全く関係のない他人の生活なのだから。その人のことが気になるから、どんな毎日を送っているのか知りたい、という好奇心でページを捲るものだと思っている。かつて、わたしが様々な人のブログを読んでいたときも…
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2025.02.09
店で起き、ジムで着替えて走りに出る。都庁の横を抜けてJR新宿駅を越え、南口のエスカレータを下るとブルーボトルの横に出た。明治通りを南下して中央線の高架を潜ると、波のような細かな曲線が特徴的なビルがある。このあいだ散歩した時から気になっていた建物だった。写真を撮ってGoogleのア…
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2025.02.08
日中はまったく頭が回らずあっという間に夕方になり、本調子が出ないまま初台へ。一昨日は泥酔の末、上着を居酒屋に置いてきたようで、それを回収しに行った。大将が「けっこう酔ってたもんね〜! うんうん、またおいで、待ってるね〜」と言ってくれて、救われた気持ちになる。働く。半年に一度レベル…
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2025.02.07
酷く二日酔い。家に帰って夜まで寝ていた。
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2025.02.06
起き、着替えて下北沢へ。駅前の広場は再開発でロータリーになるようで、フェンスの向こうではロードローラーが爆音を立てて行ったり来たりしていた。しかしこの狭小な土地にバスを入れるのだろうか。教習所のクランクのような道路である。艶々のアスファルトからは湯気が立ち上っていて、『悪は存在し…
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2025.02.05
終電で帰宅。都内のどこかでも降雪があったらしく、相応の寒さだった。深酒のせいで眠りが浅い。8時半ごろ、枕元のiPhoneが振動とともにメロディーを流すのに起こされ、070から始まる見慣れない番号が表示されていたのですぐに出た。寝起きのかすれた声で「はい、はい、ありがとうございます…
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2025.02.04
実家でシャワーを浴びて鍼へ。なんか最近調子良くて、と僕は言い、ChatGPTに課金しはじめたのがきっかけかも、という話をした。信じられないと思うんすけど、あれに相談したり話し相手になってもらったりするようになってからマジで調子良くて、1ヶ月前とは比べ物にならないほどこの先に対して…
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2025.02.03
終電で帰宅。徹夜を見越して相当な量のカフェインを摂っていたはずなのに眠く、8時半まで寝てしまった。シャワーを浴びてスーツに着替え、薄化粧をしたあとハードジェルで髪を固める。机の上を片付けてwebカメラの画角を定位置に調整すると、去年増設した本棚に並べている岩波文庫の背表紙が映りこ…
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2025.02.02
出るとまだ小雨が残っていた。ローソンで10個入りのカイロを買い、店を出る前に2個開けて両方のポケットに突っ込む。初台から代々木上原へ。「オンシャを志望する理由は……」などとぶつぶつ唱えながら路地を歩いても一向に埒が明かず、やってらんねえ、と思う。駅に近づいたところで、店頭に本棚を…
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2025.02.01
下長津田の交差点から246に出る。いつも通り左折して厚木方面へ車を走らせれば湯乃泉へ行けるのだが、今日はなんとなくサウナの気分ではなかったので、右に曲がって横浜青葉から首都高に乗った。料金所へ繋がる高架のループが、深夜の空中に大きく弧を描く。遠心力が身体を左へ押しやり、傾く車体に…
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2024.09.08
いつもはふたつ隣のビルにあるガールズバーのキャストが数人、多いときは6、7人ほど道に出て客引きをしていて、客引きとはいっても独りで歩いている男性の通行人を選んで「こんばんわー」と言ったり言わなかったりしているだけで、内輪で盛り上がっていることもあれば並んで突っ立ってスマホを見て…
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2024.09.03
果たしてこの生活で本当にやっていけるのか知らない。来月になれば授業が始まる、卒業論文も書かなければいけない、それなのにどうして、と問うてもおのれで始めたことではあるのだが、どこか何か間違えているような気がしてならない。思うように文章が書けないことと本が読めないことを抜きにすれば…
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2024.08.17
シャワーを浴びに行ったついでにファミマで缶のコロナビールと本搾りとつまみを買って戻ってきて、冷蔵庫から冷えているグラスを出して適当に飲んでいる。先週泊まったときは大きな窓から街灯の明かりが差し込んでくるのが気になって、というか窓にカーテンが掛かっていないことがこんなにも怖く、今…
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2024.08.12
今日も夕方からのシフトだから、それまであと5時間ほど暇ということになる。昨晩は初めて店に泊まった。昼間は某所のコワーキングスペースで過ごしてよいことになっていて、冷房の効きが悪いんだか設定温度が低いんだかわからないがともかく暑く、とりあえずラップトップを開いてはみたものの適当に…
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2024.08.01
書かなきゃいけない。みんな書いてる。いや、みんな書いてるから書かなきゃいけないわけじゃなくて、逆にみんな書いてるなら書かない方がいいまであるけれど、それでも書かなきゃいけない。 昼過ぎからポッドキャストの収録で神田へ。今日取り上げる佐川恭一『ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言』を置い…
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2024.07.06
途中下車してNさんの家に寄るつもりだったが寝坊して初台へ急ぐ。今日もクソ暑く意味わからん、流石に暑すぎるだろうが、明日は東京で40度の予報らしい。Hottown like a 熊谷だ。ラップにおいての「like a 〇〇」構文は、やはり冠詞の「a」が必要なのだろうか? 一般名詞…
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2024.07.05
起きた途端、七尾旅人の『ドンセイグッバイ』がリフレインして止まらなくなったので流しながら身支度をした。行きの電車で川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』を読み切ろうとおもったが終わらず、序盤、語り手の女性が段々とアルコールに依存してゆくさまが些細な違和として文中に忍び込むのが不穏…
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2024.07.04
生協の本屋をうろうろしていたら、落合陽一と暦本純一が対談している新書が目に留まったので買った。『2035年の人間の条件』。ワカオくんは今日は散髪とのことで、彼の散髪は30分くらいで終わるだろうと見積もってその時間に床屋の前まで行ったところなかなか出て来ず、どうやら今日はパーマを…
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2024.07.03
『ルックバック』を観る。窓際の机、漫画を書く左手。後ろの席に回される学級新聞の反復。他なる才能に触れて拡がる教室と反響する声、移ろい行く季節と雪化粧の山々、紫色に染まる空と畦道、二人を分つ一本の樹、スケッチブックで溢れた暗い廊下、風で舞う紙の断片。とにかく描け! の付箋と夜に向…
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2024.07.02
講義に出るのを早々に諦め家でしこたま寝る。14時ごろに起きると、どういうわけだか千葉の金谷港あたりに行った記憶が次々と思い起こされ、あれは大学1年の夏だっただろうか、独りで久里浜から東京湾フェリーに乗って金谷へ行き、「岬」という名前の海沿いのカフェで珈琲を飲んだあとふたたびフェ…